建学の精神

「一に人物、二に伎倆」
~個性を尊重した人物本位の教育を~

本学園創立者 市邨芳樹が折々生徒たちに示した教えは、卒業生らによってまとめられ、現在『やぶつばき』という書物となっております。

その中に含まれる教えの中から、市邨がその自らの教育理念として重要であると考えていたものを本学園の建学の精神、つまり「市邨精神」として現在まで受け継ぎ、そのもとに本学園の教育は実践されております。

一に人物、二に伎倆

市邨が商業教育を実践する中で常に念頭においていたのは「商業教育はつまり人物教育である」という理念でした。
市邨はそれを「一に人物、二に伎倆」という言葉に表し、次のように述べております。

「現代の日本において最も必要なのは「人」である。ただし、私が「人」というのはただ単に「人材」「仕事ができる人」という意味ではない。私のいう「人」とは、円満に発達した常識を持ち、社会や人生に対して正しい理解があり、知識をもった人、技能をもった人であると同時に、まずもって、情けがあり、徳をももちあわせている人なのです。」

このように、知識や技能を身につけることはもちろん、それ以前に、その人間性を高めることが必要であると市邨は考えていたのです。そこで、本学園ではこの「一に人物、二に伎倆」を根本精神とし、人物中心の教育を実践してきたのです。

慈・忠・忍

市邨が女子への商業教育を実践していこうとするにあたり、それまでの男子への商業教育とは違った女性としての教養、美徳を備える必要があると考えました。そこで、教え子に対し「慈・忠・忍」という精神を備える必要があると説きました。

他人を慈しみ哀れむ心

自らの使命・天命に対し忠実である心

どんな苦難・困難に対しても
あきらめず耐え忍ぶ心

もともとは、市邨が女性としての教養を念頭におき説いた教えでありますが、この精神は男性、女性を問わず人が備えるべき根本精神であると考え、現在でも校訓三則として本学園の学生・生徒が備えるべき徳の規範としております。

桜は桜、松は松

市邨がその教育を実践するにあたっては常に生徒個々人の個性を尊重することが重要であると考えておりました。市邨はその理念を「桜は桜、松は松であれ」と表し、各自が持ち合わせた才能を尊重し、めいいっぱい育む教育を実践しておりました。

本学園ではこの「桜は桜、松は松」の精神を本学園が実践すべき、学生・生徒個々人の個性を尊重した教育の根本としております。

今日六則

市邨はわれわれが毎日を生きていく中でその指針として心に刻み込むべき戒めを「今日六則」と表しました。

  • 日々自らを省みて、自らの立場を自覚する
  • 異性を尊重する心をもつ
  • 毎日の生活を楽しむ中で常に自己の発展創造をはかる
  • 自ら進んで社会奉仕をすることを心がける
  • われわれ一人ひとりが自ら国を支えている自覚を持つ
  • 独立したそれぞれの国による国際協調が世界の進歩に必要である

この六つの戒めを毎日毎日の「今日」実践する人のみが意義のある人生を送り成功者となれると市邨は考えたのです。この戒めは学生・生徒のみならず、本学園の教員・職員にとっても日々を生きる上での戒めとして常に心に刻み込んでおります。

校章のいわれ

現在、中学校・高等学校においては、建学の精神である「慈忠忍」と「桜は桜、松は松」の二つの精神が校章に表されている。
校章は、檜扇の形にかたどられている。これは日本古来の優雅な風習の典型を表すとともに、扇は“一名末広”とも言われるように、本学園の末代までの発展を象徴するものである。その扇に右から「茲・中・刃」の三文字が描かれている。

また、扇の要の部分には「心」の文字が描かれている。これは、校訓三則である「慈忠忍」を表しており、「茲(ここ)にこの心に刃(やいば)を中(あ)てぬれば慈悲と忠実と堪忍となる」と詠まれた和歌に基づき、「茲(ここ)にこの心に刃(やいば)を中(あ)つ」と読ませる。これは、「はもの」を心につきつける時の真剣で緊張する精神が、慈悲、忠実、忍耐の三つの徳に具体化し、社会に貢献できる真の人間性を表現している。また、扇の要の部分には、桜の花と松の葉が図案化され、各自の個性を尊重した教育を学園の要としていることを示したものである。

なお、大学・短期大学においては、犬山にある大学・短大・幼稚園、名古屋市千種区にある市邨校、瑞穂区にある高蔵校を姉妹三校として、扇を三つ合わせた形を図案化したものを校章と定めている。

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